近所の保育園にお願いして、おはなし会を始めました。対象は5、6歳の年長さんです。
なぜおはなし会なのかといえば、それは、薪ストーブがあるからです。薪ストーブは、今時どこのご家庭にもあるものではありません。子どもにとって珍しいものに触れるのは、それだけでも意味があることでしょう。
さらに、薪の燃える炎というのは、眺めていて飽きないものです。まだ薪ストーブを使い始めて1年目の初心者だからかもしれませんが、私はストーブの火をぼうっと眺めて30分や1時間、過ごしてしまうことさえあります。子どもにとってもきっと眺めていて心地いいものに違いありません。
考えてみれば、人間は太古の昔から炎を眺めて過ごしてきました。それが焚き火であれ囲炉裏であれ暖炉であれ七輪であれ、火は人間の暮らしに欠くことのできないものでした。ところが、現代、炎を眺める機会はどんどん減っています。オール電化の家庭では、まったく火を使わずに1日を過ごすことさえ当たり前になっています。利便性や安全性を考えたらそれは決して悪いことではないのかもしれませんが、人間が数万年に渡って培ってきた何かをあっさりと捨ててしまうのは、やっぱり惜しいことです。
そこで、「薪ストーブをボーッと眺める会」のようなものを、子どもたちに提供できないかと思いました。ただ、子どもによってはそれでは退屈かもしれません。そこで、薪ストーブを囲んでの「おはなし会」にしようと考えたわけです。
私は、お話には自信があります。なぜかといえば、いま6歳の息子がここまで育つまでに、実にたくさんのお話を聞かせてきたからです。うろ覚えの昔話やおとぎ話もありましたが、ほとんどは口から出まかせのとりとめのないでっちあげでした。けれど、中にはそこそこに聞くに耐える物語になったものもあります。そういったオリジナルのストーリーを中心に、おはなし会をしようと考えました。
息子の通う保育園は、歩いて数分のすぐ近所です。そこの園長さんをはじめ職員の方と相談して、まずは息子のいる年長児クラスからおはなし会を試行してみることになりました。これでうまくいけば、来年度以降も続けてみようということになっていますが、さてどうなりますか。
ともかくも、第1回はちょうど1週間前に始まりました。家が狭いので、一度に受け入れられる人数は5、6人がやっとです。ですから、1クラス全員に来てもらうには、少なくとも5回はおはなし会を開催しなければなりません。これまで3回開催していますが、なかなか緊張します。
それでは、この記事以降、実際におはなし会で使ったストーリーを掲載していくことにします。
(なお、これらのストーリーは基本的には私のオリジナルですので、転載その他の無断でのご使用は当面ご遠慮ください。ただし、子どもたちに読み聞かせたりお話ししてあげる際のネタに使うのであれば、ご自由に、ご遠慮なくご使用ください。その結果や感想等をコメントいただければこれにまさる喜びはありません)。