子どものためのおはなし
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「魔法の丸太小屋」について

5/25/2015

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うちの近所の保育園には丸太小屋があります。息子が通っていた頃には、そこで週1回、元園長の「まーじょさん」という方がおはなしを聞かせてくれていました。まーじょさんはその後、おはなしのほうは引退されたのですが、いまでもお元気に活動しておられると聞きます。
ただ、この丸太小屋、1年ほど前に近くを通ったときに見たら、かなり古びてしまっていました。たぶん、屋根は葺き替えないといけないでしょう。もう30年も前に当時の保育士さんたちの手作りでできた小屋です。まだまだ頑丈ではあるのですが、「こういうものもいつかは終わりを迎えるんだろうな」と思うと、ちょっとかなしい気持ちになったのは事実です。
そんなことが記憶の奥にあったからでしょう。今年の2月、保育園の年長さんたちが遊びに来る「おはなし会」(もう「おはなし会」ではなくなってしまっているのですけれど)のときに、ひさしぶりに新作のおはなしをと思ったときに、この「魔法の丸太小屋」ができました。「いつかこわれてしまう」と、かなしむのではなく、実際にこわさなければいけなくなったときのことを想像してみたのです。そうしたら、そんなにかなしくなりませんでした。
保育園の子どもたちには、毎日親しんでいる丸太小屋が壊れてしまうというのはショッキングだったかもしれません。けれど、現実にまだそこにあるわけですから、子どもたちは素直にフィクションとして(あるいは別の遠い場所で起こった話として)聞いてくれました。思い出という魔法、友情という魔法について、私が考えていることがどれくらい伝わったのかはわかりません。けれど、ひさしぶりの新作としては、わるい反応ではなかったと思っています。
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