最近は新作のおはなしをつくることもほとんどなくなったのですが、たしか去年の冬に保育園の子どもたちが来てくれたとき、「おはなししようか」との呼びかけに「へんなコップ屋さんのおはなしをして!」とのリクエストがありました。ひょっとしたらこれはその子の知っているおはなしなんだろうなと思いながら、ちょっと想像力を刺激されて即興でつくったのがこの「へんなコップ屋さん」です。ですから、どこかに同名のまったくちがうおはなしがあるのかもしれません。
話の骨格は、古い笑い話からもらいました。壺屋を訪れた客が、壺の口がふさがっている、底が抜けていると、難癖をつけるおはなしです。それを客である語り手の勘違いというように展開しました。夏の暑い日には、日頃見慣れたこの世界がまるでどこか別の次元に落ち込んだような錯覚におそわれます。そういう不思議な浮揚感を描きたいと思いましたが、さて、どうだったでしょうか。
ちなみに、車の便がなくて山道をてくてくと歩くというような馬鹿な真似を、わかい頃の私はよくやりました。そういう時代の思い出があるので、私にとってはちょっと嬉しい作品でもあります。
話の骨格は、古い笑い話からもらいました。壺屋を訪れた客が、壺の口がふさがっている、底が抜けていると、難癖をつけるおはなしです。それを客である語り手の勘違いというように展開しました。夏の暑い日には、日頃見慣れたこの世界がまるでどこか別の次元に落ち込んだような錯覚におそわれます。そういう不思議な浮揚感を描きたいと思いましたが、さて、どうだったでしょうか。
ちなみに、車の便がなくて山道をてくてくと歩くというような馬鹿な真似を、わかい頃の私はよくやりました。そういう時代の思い出があるので、私にとってはちょっと嬉しい作品でもあります。