おはなしの中にも書きましたけれど、日本の「むら」いわゆる自然集落は、実に多様です。都会に住んでいる私たちは「村」というと「市町村」という単位の地方自治体を思い浮かべますが、田舎で「むら」(私は区別するために平仮名書きにします)といったら、自然村落のことです。かつては、これは「字」として公式に存在を認められていましたが、字が多くの住所表記から消え、たいていは「自治会」という括りでしか残らなくなりました。そして、自治会は、都会では「何町何丁目自治会」のようにほとんど行政的な区割りで決められます。自然村落を単位としたものとは感覚がすっかり異なってしまっています。
農村でも、全国的に「むら」と自治会はかぶっていません。結局、「むら」は、住んでいる人の感覚にしか残っていません。それでも厳然として存在しているわけです。
この「貸し椀の淵」には「竹田川」のような実在の地名を出しましたが、これは純粋に架空のおはなしで、特にどこの伝承というわけでもありません。このパターンのおはなしは中部地方に多く伝わっているそうです。
農村でも、全国的に「むら」と自治会はかぶっていません。結局、「むら」は、住んでいる人の感覚にしか残っていません。それでも厳然として存在しているわけです。
この「貸し椀の淵」には「竹田川」のような実在の地名を出しましたが、これは純粋に架空のおはなしで、特にどこの伝承というわけでもありません。このパターンのおはなしは中部地方に多く伝わっているそうです。