子どものためのおはなし
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あつぐすり

5/18/2015

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むかし、みんながまだ氷の上でくらしていたころのお話です。かみさまは、みんながさむがるのが、あんまりきのどくに思いました。そこで、あつぐすりをつくることにしました。

あつぐすりというのは、ちょっとだけのむと、からだの中が、ぽっとあたたかくなるくすりです。これをのんで、みんなは氷の上でもさむい思いをあんまりしなくてすむようになりました。

けれど、あるとき、ひとりのさむがりが、「さむい、さむい」といって、あつぐすりをたくさんのんでしまいました。それも、ふつうのむぶんよりも、ずっとずっとたくさんのんでしまったものですから、このおとこのからだはどんどんどんどんあつくなりました。そして、さいごには、もえてなくなってしまいました。

これをみて、かみさまはたいへんかなしまれました。そして、「あつぐすりなんかつくったのは、まちがいだった」と思いました。かみさまがストーブをつくってみんなに火のつかいかたをおしえるようになったのは、こんなわけなのです。
(初出:March 06, 2009)
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    作者について

    私の家は保育園のすぐ近く、そして薪ストーブがあります。そこで、冬季限定のお楽しみとして、薪ストーブの火を囲んでのおはなし会に年長児さんを招待することになりました。そのおはなし会で使ったネタを、ここで紹介していきます。

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