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「なあの話」について

5/15/2015

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March 02, 2009投稿の再掲

「なあの話」は、たぶんまことが2歳か3歳のころに寝かしつけるために「おはなし」をしているときにできたものです。このころは、よく出まかせでおはなしをしました。まことは寝つきが悪い人なのですが(ついでに朝起きられない最悪のタイプなのですが)、寝かしつけようとおはなしをするわけです。おはなしをしている間は、静かにしていてくれます。ただ、これは寝たのではなく、いっしょうけんめい聞いているだけなので、おはなしが終わるとまた「次のおはなしして」となります。結局は寝かしつけに失敗するパターンでしかないのですが、しかし、グズられるよりはましと、こっちも根比べで次から次へと思いつく限りのおはなしをしました。
まことのほうもだんだんとノってきて、「次は◯◯のおはなしして」と、注文をつけるようになります。そのおかげでいろんな奇妙な話ができました。「うんばーちゅーのはなし」なんて、なんのことやらさっぱりわかりません。

そんなある夜、まことが「なあのおはなしして」と言ったわけです。「なあ」って何でしょう? わからないときは、たいていおばけか妖怪か、そんなものにしました。けれどネタも出尽くしていたので、正体不明のおばけになりました。姿は見せないけれど、「なあ」という声だけがするという、まあ古くからあるタイプの化け物です。
ちょうどこのころ、まことは「おぼうさん」とか「お寺」に興味をもっていました。田舎にすんでいたので、見に行くところといえばそんなところしかなかったせいかもしれません。そこでお坊さんを登場させたら、なぜか「なあ」が改心してしまいました。

割とよくまとまった話なので、その後何度かリバイバルさせています。私の持ちネタの中では、もっとも安定したもののひとつかもしれません。今回アップしているおはなしは以前に書き留めておいたものですが、最近のバージョンでは人間に戻って出家した「なあ」のお坊さんが、旅を続けて自分と同じような境遇の子どもを救うという、ちょっと教訓めいたエンディングになっています。どちらがいいのか、よくわかりません。
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