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「消えないストーブ」について

5/14/2015

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March 03, 2009投稿の再掲

「消えないストーブ」は、今回のおはなし会のためにひねり出したネタです。前日に仕事をしながら構想を練り、夜に息子のまことに話したらOKをもらいました。書き留めたのは、おはなし会の後のことです。ですから、おはなし会ではもうちょっと雑なつくりだったと思います。

ちょうど、まことがグリム童話にはまっているので、グリムのような世界で何か薪ストーブの出てくるおはなしができないかなと思いました。グリムといえばヘンゼルとグレーテル。彼らは木こりの子どもですから、もちろん薪に関係があります。この線でいこうと思いました。グリムには、白雪姫をはじめ、小人の出てくる話もたくさんあります。実は、魔法使いの出てくる話をひとつ、先につくったのですが、これは無茶苦茶でまるでなっていないものでした。そこで、小人にしようと考えたわけです。

ただ、小人が出てきたあたりで展開に困ってしまいました。そこで、昔からある算術級数と幾何級数の違いでとんでもなく大きな負債を抱えるというタイプのおはなしをもってくることにしました。だから、出だしはグリムですけれど、途中から頓知話になってしまっています。

算術級数と幾何級数を比べることは、たぶん、指導要領からいえば中学生の範囲になってしまうはずです。学習雑誌等では小学校高学年でとり上げることもあるでしょう。そういう意味では、保育園年長児には話のポイントは理解できないものです。けれど、「どんどん、どんどん増えていく」バカげたリズムは、保育園児の耳に楽しいもののようです。

以前、まことを保育園まで送っていったとき、玄関先で「バイバイ」といったあと、「バイのバイで4バイ、4バイのバイで8バイ、8バイのバイで16バイ、16バイのバイで32バイ、32バイのバイで64バイ……」とふざけて言ったら、まわりの子どもにずいぶんとウケました。だからたぶん、これは大丈夫だろうと思ったわけです。実際、ここでかなり笑いがとれました。同じことを3度繰り返す構造にしたのはわざとですが、これは安定した黄金率ですね。

他愛ない話ですが、文明に頼りすぎることへの警鐘を、ほんのわずかこめたつもりです。だって、「消えないストーブ」は、おはなし会の子ども達が指摘したとおり、「電気ストーブ」そのものなんですから。
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