March 04, 2009投稿の再掲
「でんしんばしら」は、このおはなし会の企画を考える少し前に、息子のまことに話して聞かせたものです。まことに寝る前の「おはなし」をする機会は、以前に比べればずっと少なくなりました。もう自分で本を読む方がいい年頃になってきているからでしょう。けれど、いまでもたまに「おはなしして」という夜があります。そんなときは、久しぶりなので、こちらもすらすらとネタが出てこないときがあります。
この夜もそうでした。たまたま、そのしばらく前に、妻が図書館で宮沢賢治の絵本をまことのために借りてきていました。そういえば宮沢賢治の作品に電信柱を扱ったものがあったなあと思って、うろ覚えのその話をして急場をしのごうとしました。ところが、ぼんやりと覚えているつもりだったこの作品(「月夜のでんしんばしら」だと、後でわかりました)、うろ覚えどころかまったく覚えていないことが話しはじめてわかってしまいました。そこで、出まかせを続けたら、こんな話になったわけです。
イメージは、北海道です。北海道の帯広の北の方に、原野の中に突然石柱が立っているところがあります。かつて鉄道が走っていて、廃線になった後にその鉄橋跡が残っているものだそうですが、あたりになにもないところに、まるで前後の脈絡と切り離されて立っているその構築物は、現実とは遊離した不思議な雰囲気を醸し出しています。その記憶を孤独な電信柱に重ね合わせました。だから、電信柱が運ばれた街の風景は、戦前の帯広をイメージしています。
もうひとつ、このおはなしのイメージの構成要素となったのは、京都の山の中の小さな無人駅の待合室で聞いた話です。このあたりには現在では杉の植林が広がっているのですが、かつては広葉樹が多かったそうです。それらの広葉樹は、戦争中に大規模に伐採され、主に全国の鉄道の枕木として運ばれていったそうです。海外まで運ばれたかどうかはわかりませんが、太平洋戦争中にはさまざまなものが軍需物資として海外に送られました。あり得ない話でもないのかなと思います。
薪ストーブとは直接の関係はありませんが、木にまつわる話として今回とり上げました。
「でんしんばしら」は、このおはなし会の企画を考える少し前に、息子のまことに話して聞かせたものです。まことに寝る前の「おはなし」をする機会は、以前に比べればずっと少なくなりました。もう自分で本を読む方がいい年頃になってきているからでしょう。けれど、いまでもたまに「おはなしして」という夜があります。そんなときは、久しぶりなので、こちらもすらすらとネタが出てこないときがあります。
この夜もそうでした。たまたま、そのしばらく前に、妻が図書館で宮沢賢治の絵本をまことのために借りてきていました。そういえば宮沢賢治の作品に電信柱を扱ったものがあったなあと思って、うろ覚えのその話をして急場をしのごうとしました。ところが、ぼんやりと覚えているつもりだったこの作品(「月夜のでんしんばしら」だと、後でわかりました)、うろ覚えどころかまったく覚えていないことが話しはじめてわかってしまいました。そこで、出まかせを続けたら、こんな話になったわけです。
イメージは、北海道です。北海道の帯広の北の方に、原野の中に突然石柱が立っているところがあります。かつて鉄道が走っていて、廃線になった後にその鉄橋跡が残っているものだそうですが、あたりになにもないところに、まるで前後の脈絡と切り離されて立っているその構築物は、現実とは遊離した不思議な雰囲気を醸し出しています。その記憶を孤独な電信柱に重ね合わせました。だから、電信柱が運ばれた街の風景は、戦前の帯広をイメージしています。
もうひとつ、このおはなしのイメージの構成要素となったのは、京都の山の中の小さな無人駅の待合室で聞いた話です。このあたりには現在では杉の植林が広がっているのですが、かつては広葉樹が多かったそうです。それらの広葉樹は、戦争中に大規模に伐採され、主に全国の鉄道の枕木として運ばれていったそうです。海外まで運ばれたかどうかはわかりませんが、太平洋戦争中にはさまざまなものが軍需物資として海外に送られました。あり得ない話でもないのかなと思います。
薪ストーブとは直接の関係はありませんが、木にまつわる話として今回とり上げました。