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「カエルとヘビ」について

5/16/2015

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May 02, 2009投稿の再掲

息子のまことも小学生になり、毎日元気に学校に通っています。保育園とちがってお昼寝がないのと早起きしなければ登校に間に合わないので、早くに寝かすようにしています。ということで、「寝る前の本」もおはなしもなしなのですが、本人はそれが不満なようです。どうしてもとせがまれるので、短い話ならと「カエルとヘビ」をやりました。これは、ずいぶん昔につくったおはなしですが、実はまことに話したことはありません。もっと言葉数の少ない絵本として構想したものです。おはなしとして話すには、かなり言葉を補ってやらねばなりませんでした。イラストの力さえあればテキスト不要でも成り立つようなおはなしなのですが、そういう才能はみつけられずにいます。

このおはなしを思いついたのは、お酒を飲んでいたときです。お酒を飲むとたいていの人は人格が変わりますよね。それを「本性が現れた」というようにいうことがありますけれど、ほんとうなのでしょうか。私は、人間というのは別に隠れた本性なんてなくて、見たままの姿がすべてなんだと思います。お酒を飲んだときや危機に際して別人格が現れるのは、そういう特殊事情で特殊な反応が出ただけで、それを「ほんとうはこういう性格なんだ」と断じるのはちょっとどうなのかなあと思うのです。あるいは、「普段はこんな感じでお酒を飲んだらこんな感じで…」というのをすべてひっくるめて、その人の個性だろうと思います。それを「ほんとうの私はこう」「ほんとうのあなたは…」と本質探しをするのはあまり意味がないなあと思うわけです。

一皮剥けば、その下には別のものが隠されているのかもしれません。けれど、無理に剥かなくってもいいじゃないかと思うのです。剥きつづけてもどんどん話がややこしくなるだけではないでしょうか。それよりも、ありのままを本質としてつきあえばいいのではないでしょうか。

そんなことを思いながらまことにも話して聞かせたのですが、この短い話の結末にたどり着く以前に、彼は寝てしまっていました。小学生というのはそういうものなのでしょうね。
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