November 19, 2009投稿の再掲
1ヶ月ほど前、息子のまことを寝かしつけながら、いくつかのお話がまとまってできました。「行かず池の話」もそのひとつです。簡単な話なのに、なかなか書き留められず、ようやく一昨日、文字にすることができました。中途半端に書きかけで放ってあるのは気持ちがよくないので、少しだけ、ほっとしました。
この話、フィクションではあるのですが、ある意味、現代社会では実にありそうな話でもあります。「新薬」を求める研究は、それが莫大な富に結びつくことから飽くことなく続けられています。その効能が実験室でたしかめられ、認可を経て、市場に出ます。ところが、薬というのは決して単純なものではありません。「ここを押したらこっちが引っ込む」といった直線的な因果関係だけで成立しているものではないのです。結果として、薬は人間社会全体に変化をもたらし、そして、富の基盤そのものを危うくします。
私はかつて、短期間ではあるけれど健康食品を扱う会社に勤め、そんな現場をつぶさに見てきました。そういった体験から思いついた話なので、子ども向けにしてはずいぶんと生臭いお話かもしれません。そういう意味では、あまりできのいい話ではないようにも思います。
なお、「いかず池」ほど極端ではありませんが、「探しても見つからないけれど探していないときには見つかる」ような地点は、山に登っているとたまに経験することです。「あそこで昼飯にしよう」と思って記憶にある気持ちのいい空き地を探すのですが見つからず、しかたないから他で済ませ、帰り道にその空き地を通りかかる、というような具合です。その場所がなくなったわけではないので、森を切り開けばきっと出てくるはずです。けれど、木立がなくなってしまえば、「気持ちのいい空き地」もなくなってしまうのです。そのあたりのパラドックスをおもしろいと思ってもらいたくて後半の展開を考えたのですが、なかなか難しいものですね。
1ヶ月ほど前、息子のまことを寝かしつけながら、いくつかのお話がまとまってできました。「行かず池の話」もそのひとつです。簡単な話なのに、なかなか書き留められず、ようやく一昨日、文字にすることができました。中途半端に書きかけで放ってあるのは気持ちがよくないので、少しだけ、ほっとしました。
この話、フィクションではあるのですが、ある意味、現代社会では実にありそうな話でもあります。「新薬」を求める研究は、それが莫大な富に結びつくことから飽くことなく続けられています。その効能が実験室でたしかめられ、認可を経て、市場に出ます。ところが、薬というのは決して単純なものではありません。「ここを押したらこっちが引っ込む」といった直線的な因果関係だけで成立しているものではないのです。結果として、薬は人間社会全体に変化をもたらし、そして、富の基盤そのものを危うくします。
私はかつて、短期間ではあるけれど健康食品を扱う会社に勤め、そんな現場をつぶさに見てきました。そういった体験から思いついた話なので、子ども向けにしてはずいぶんと生臭いお話かもしれません。そういう意味では、あまりできのいい話ではないようにも思います。
なお、「いかず池」ほど極端ではありませんが、「探しても見つからないけれど探していないときには見つかる」ような地点は、山に登っているとたまに経験することです。「あそこで昼飯にしよう」と思って記憶にある気持ちのいい空き地を探すのですが見つからず、しかたないから他で済ませ、帰り道にその空き地を通りかかる、というような具合です。その場所がなくなったわけではないので、森を切り開けばきっと出てくるはずです。けれど、木立がなくなってしまえば、「気持ちのいい空き地」もなくなってしまうのです。そのあたりのパラドックスをおもしろいと思ってもらいたくて後半の展開を考えたのですが、なかなか難しいものですね。